サルコペニア
サルコペニアとは、骨粗鬆症や認知症と同じように高齢者でよく見られますが食生活の影響などででも現れる症状で、筋肉量が減少して筋力の低下や身体機能の低下が見られる状態のことを言います。
1989年にアメリカの学術雑誌(The American Journal of Clinical Nutrition)で発表されています。
症状的には、歩く速度が低下し、手の握力が弱くなる、入浴、着替えなど日常生活の動作にも影響が出て、歩行バランスが悪くなり、転倒リスクが高くなります。
高齢化社会の日本ではサルコペニアの問題は急速に高まっていてサルコペニアの悪化が日常生活の質を著しく低下させることが問題視されています。
サルコペニアの予防は栄養バランスの取れた食事と適度な運動に心がけ、慢性病の管理を行ことがが重要だと考えられています。
サルコペニアの食事療法
筋肉はタンパク質、アミノ酸等の栄養成分摂取により増加します。
そのためサルコペニア予防、快復には十分な量のタンパク質を摂取することが大切です。
タンパク質は体内で分解されるとアミノ酸になります。
しかし、すべてのアミノ酸が筋肉になるのではなく、筋肉の合成の度合はアミノ酸の種類により違ってきます。
つまり効果的に筋肉を増加・維持を続けていくには適切な種類のアミノ酸を摂取することをお奨めします。
分岐鎖アミノ酸 BCAA
分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、必須アミノ酸の中でも側鎖のあるアミノ酸です。
バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類があり、筋肉を構成している必須アミノ酸の3~4割を占めています。
活動するときは主に筋肉のエネルギー源となり、筋肉のたんぱく質の分解を抑制します。
ある研究では、分岐鎖アミノ酸・BCAAはの中でもロイシンが筋肉の合成に非常に大切な働きをしていることが分かっています。
サルコペニアの運動療法
加齢や疾患等によって、運動神経の機能低下、骨格筋の筋繊維の減少や筋繊維を支配している運動神経細胞の減少がサルコペニアを進行させます。
また、血流、炎症、ホルモンバランスなども骨格筋の成長に関与しています。
【かんたん筋力強化体操】
※左右10回で1セット、1日3セットを毎日同じ時間帯にするのがよいでしょう。
【かんたん転倒防止体操】
※20回で1セット、1日2セットを毎日同じ時間帯にするのがよいでしょう。
※足、腰の調子が悪い方は無理をせず、出来る範囲内から始めましょう。
◆最近では分岐鎖アミノ酸・BCAAに視細胞変性保護効果があることが京都大学・眼科の研究で明らかになりました。